vol.3 「リノベ学校」第2・3回レポート!実際の物件を見ながらリノベを体感
団地の空き物件を購入し、ライフスタイルや予算に合わせて自分らしいリノベーションを行う「団地リノベ」。低予算で理想の住まいを手に入れることができることから、実践する人がじわじわと増え、注目されています。
前回の記事でも紹介したように、明舞団地では、団地リノベに興味がある人へ向け、「リノベ学校」という体験型の講座を2018年10月から2019年3月まで開講。実際にリノベ中の物件を見ながら、団地の構造や間取りの考え方、ローンのしくみなどについて、ワークショップなどを通じて学びました。
今回は、「リノベ学校」の第2回・第3回の様子についてレポートします。
第2回:「ワークショップ」
モデル物件のリノベプランを参加者が考案
11月に行われた第2回リノベ学校のテーマは、「参加者でリノベプランを考える」。第1回で見学したモデル物件への入居世帯を「親子」「夫婦のみ」「単身(30代)」と3種類のライフスタイルを想定し、参加者はそれぞれのグループに分かれ、各世帯の暮らしに合ったプランを考えました。
そして、グループごとにリノベーション案を作成し、プレゼンテーション。入居者のライフスタイルが違うと、完成するアイデアも大きく違うのが特徴的でした。具体的に各グループの案を見てみましょう。
親子グループの案は、子どものための部屋や、親子間のコミュニケーションを意識した間取りが目立つのに対し、夫婦のみグループの案は、一面の本棚や書斎、独立した家事スペースなど、夫婦がそれぞれ自分の時間を過ごすスペースがつくられているのが特徴的。一方で単身グループの案は、自分の趣味を楽しむ工夫やコンパクトな水回りなどが印象的でした。
各グループの案に対し、講師である㈱フロッグハウスの清水さんが、今回の物件で各アイデアを実現するためにはどうしたらいいか、メゾネット物件ならではの課題もふまえて、アドバイスを行いました。
最後に、この物件で実際に進めているリノベーションプランを清水さんが紹介。参加者のみなさんは、プロならではの考え方に「なるほど」と興味深くうなずいていました。
第3回:①「融資についてのセミナー」
団地リノベでもローンは組めるの?
12月に行われた3回目のリノベ学校は、座学でスタート。神戸信用金庫垂水支店の垣屋裕收さんを講師に迎え、主に住宅ローンについて学びました。
垣屋さんは、住宅ローンの借入れ範囲や諸費用に関する基本的なことについてだけでなく、団地リノベに適したローンのしくみも紹介。
以前は、物件の取得費用とリフォーム費用とは別々の借り入れが必要でしたが、現在は一本化して借りられるようになり、リフォームであっても金利が低く、毎月の返済額を抑えられるようになったそう。
また、住宅購入時の費用の中で多くを占める「保証料(物件評価額が借入れ金額を下回った場合の超過保証料)」について、現在はリフォーム部分も評価されるようになったため、リフォームをすることで保証料が安くなる(つまり諸費用が安くなる)ということも学びました。
第3回:②「モデル物件の改修プラン」
メゾネットの課題点を活かした設計!?
続いて、今回のモデル物件となっているメゾネットタイプ住戸の持ち主であるTさんが講師となり、実際のリノベーションプランと、そこに至った考え方を紹介しました。
Tさんは、夫婦ふたりでの住まいとして、今回のメゾネットタイプ物件の購入・リノベーションを決意。メゾネットタイプの課題である「デッドスペースが多い」「空間が分断されてしまう」という点を逆手にとり、リノベーションの方向性を「空間の切り分け」と設定しました。
具体的なテーマは、「生活の楽しさの追及」。1階部分を「生活のスペース」とし、キッチン、バス、トイレなど住宅の機能面を盛り込み、2階部分は「くつろぎのスペース」とし、機能面を減らすことに。全体的に仕切りを極力減らしたり、階段をスケルトンにしたりと、1階と2階で“光”や“空気”を共有できるような設計で進行しているそうです。
第3回:③「明舞団地空き家ツアー」
団地内のリノベ済み物件を見学!
最後に、明舞団地内のリノベ済み物件の見学を行いました。元々の団地の雰囲気を感じさせないようなスタイリッシュな物件や、団地らしさを残したままのレトロな物件など、団地リノベにはいろいろなやり方があることを目の当たりにし、参加者のみなさんからは感嘆の声があがっていました。
こうして団地リノベについて理解をより深めた「リノベ学校」の第2・3回ですが、いよいよ次は最終回。リノベーション後のTさん邸を見学します。